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91号 わだつみのこえ記念館開館へ
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2006/11/30(Thu)
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わだつみのこえ記念館 開館へ
太平洋戦争で学徒出陣し戦死した学生の手記などを展示する「わだつみのこえ記念館」が来月、東京都内にオープンするのを前に、29日、報道関係者に公開されました。 わだつみのこえ記念館は、日本戦没学生記念会が学徒出陣から50年たった平成5年から募金を集め、このほど東京・文京区に完成したもので、来月4日から一般に公開されます。館内には、学徒出陣で戦地に赴き、学業の志半ばにして戦死した学生の遺書や日記、戦場でのスケッチなど、遺族から提供を受けた177点が展示されています。このうち、終戦の年、特攻隊員として22歳で戦死した佐々木八郎さんの手記には、敵ではあっても人を傷つけたくないという本心が記されています。また、大学卒業後すぐに出征し、24歳で戦死した宇田川達さんが結婚したばかりの妻にあてて書いた遺書には、「ひとときでも離れたくない気持でしたが、世の中はそれを許してくれませんでした」と無念の思いがつづられています。記念館では、戦争に疑問を持ちながらも、国のためとして戦地に赴き、将来の夢を絶たれた当時の学生たちの思いを、今の若い人たちにも感じてもらいたいと話しています。(11/29NHKニュースから) 昨夜のNHKニュースでこのニュースが放送された。私の本棚に「きけわだつみのこえ〜日本戦没学生の手記」(東京大学出版会)という本がある。奥付(書籍の末尾の、書名・編著者・発行者・印刷者・発行年月日・定価などを印刷した部分)には、1952年2月29日発行、1974年7月30日第22刷とある。32年も前の本で、古色(こしょく)蒼然(そうぜん)(長い年月を経て、いかにも古めかしく見えるさま)としている。 「海神」と書いて「わだつみ」と読む。「わた・わだ」とは万葉集にある「海」の古語。「つ」は格助詞「の」と同じ意味の奈良時代の言葉。「み」は「霊」の意味で、「わだつみ」は「海の霊」や「海神」となる。また、海神のいる所の意味から「海」や「大海」の意味もある。したがって、「わだつみの声」とは「海神の声」あるいは「海の声」という意味である。 「戦没学徒」とは戦争で戦死したり、病死したりして亡くなった学生の兵士のことだ。昭和18年10月2日、勅令(ちょくれい)により、「在学徴集延期臨時特例」が交付された。それまで、大学、高等学校、専門学校の学生は徴兵が猶予されていたが、この特例によって、文科系の学生・生徒の徴兵猶予が停止された。この非常措置によって、昭和18年12月、全国で約十万人の学徒がペンを銃に替えて、戦場へ赴くことになった。世に言う「学徒出陣」である。ペンを銃を替えた学徒の総数は、政府機関にも大学にも正確な記録は残されていない。概数として約10万人(陸軍8万、海軍2万)と言われているのみである。その多くが特攻隊になったといわれている。戦没者した学徒の数は更に不明で概数さえ示されていない。そして、特攻隊として亡くなった人の多くは海の藻屑となっている。海で亡くなった人々を「海神(わだつみ)」となったとイメージしたのであろう。この戦没学徒の手記を一冊の本にしたのが、「きけわだつみのこえ」である。その本の中から紹介しよう。 「大塚晟夫(あきお)」中央大学学生。昭和20年4月28日、沖縄嘉手納沖で戦死。23歳 昭和20年4月21日 はっきり言うが俺は好きで死ぬんじゃない。何の心に残る所なく死ぬんじゃない。国の前途が心配でたまらない。いやそれよりも父上、母上、そして君達の前途が心配だ。心配で心配でたまらない。皆が俺の死を知って心定まらず悲しんで、お互いにくだらない道を踏んでいったならば、俺は一体どうなるんだろう。(中略) 4月28日午前11時 これから昼食をとって飛行場へ行く。飛行場の整備でもう書く暇がない。これでおさらばする。乱筆乱文はいつものことながら勘弁を乞う。皆元気で行こう。大東亜戦争の必勝を信じ、君達の多幸を祈り、今までの不幸をお詫びし、さて俺はニッコリ笑って出撃する。今夜は満月だ。沖縄本島の沖合で、月見しながら敵を物色し、おもむろに突っ込む。勇敢にしかも慎重に死んでみせる。 「学生は二度とペンを銃に替えない」この言葉は私が大学生の時によく言われていた言葉だ。戦没学徒の遺志を受け継ぐことは、自由に学問や研究ができる時代を守り続けることだと私は考えている。 |
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